丁香花(中国名…デン・シャン・ホワ)は哈爾濱市(ハルビン市)の市の花です。

●メールマガジン配信内容
中国黒龍江中医学院出身の中医師、高士成先生が顧問アドバイザーとして、哈爾濱漢方薬局の日本薬剤師会認定、漢方薬・生薬薬剤師とともに、漢方をわかりやすく解説し、皆様の健康を応援いたします。

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不定期発行です。


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第15号
冬  虫  夏  草

 人参、黄耆と並んで免疫力向上に役立つとされる冬虫夏草は、コウモリガなどの昆虫の幼虫が冬期に地中にもぐっているときに麦角菌科のフユムシナツクサタケと呼ばれる菌が寄生し、幼虫は菌に養分を吸収されて死に、夏になってその幼虫の死体の一部から菌柄が地上に草のように伸びるもので、古くから宮廷などで不老不死・強壮の妙薬とされ、薬酒(冬虫夏草酒)や薬膳料理などにも珍重されているものです。生育地域もごく限られ、摂取できる量も決して多くないので、昔から大変貴重な漢方薬とされています。コルジセピン、コルジセプス酸、ビタミンB12などが含まれ、抗菌作用や強壮強精作用、気管支拡張作用、鎮静作用などの効果が認められ、 漢方では肺腎を補い、止咳・化痰の効能があり、肺結核などによる慢性の咳漱、喀血、自汗、寝汗、インポテンツ、病後の体力低下などに用います。

【使い方】
刻むか粉末にしたものをそのまま或いは煎じて服用する他に、とり肉と好相性なので薬膳としてスープにしたり、焼酎などに漬けて薬用酒とします。


●煎じ薬
 冬虫夏草5gを500〜600ccの水で15〜30分間ぐらい煎じたものを1日分として数回に分けて食前や食間に飲む。

●薬用酒
 冬虫夏草90gを焼酎或いはホワイトリカー0.5?に入れ、密栓して冷暗所に10ヵ月保存した後氷砂糖などの甘味料を加えたものを1日に杯1〜2杯を食前か就寝前に飲む。

● 薬 膳
 鶏肉、生姜、干椎茸、昆布、野菜くず等と煮たスープに冬虫夏草と木くらげを加えて中火で30分位煮た後、冬虫夏草を取り出して細かく刻んでまたスープに戻し、塩・こしょうで味を整える。(鶏肉の代わりにえびや白身魚のすり身団子でもおいしい。その場合はスープに白身魚のあらも使う)


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第14号
役 立 つ 生 薬

 前回、免疫に役立つ生薬として補気薬として人参を挙げました。
補気薬は気虚を改善するもので、生体の次のような働きが低下した状態を改善します。
 <全身の生理的機能や代謝の推進>
 <エネルギー代謝や循環の推進による体温の調整と恒常性の維持>
 <病原性物質の侵入防止および侵入した病原性物質に対する抵抗と排除(免疫能)>
 <飲食物を栄養物質や体内の構成成分に、あるいは汗・尿・消化液などに転化する作用(物質転化)>
 <汗・尿・精液などの排泄過多の抑制、血液の血管外への排泄抑制>

黄耆(おうぎ)

補気薬

 人参と同様に元気をつける代表的な補気薬のひとつ。
 人参がおもに体内の五臓の気(裏虚)を補うのに対して黄耆は体表部の気(表虚)を補うとされ、少し動くと汗が出る・疲れ易い・息切れ・軽度の寒けなど体の反応が弱い状況を改善し、黄耆と人参を配合すると補益作用が増強される。

【基原】

マメ科の多年草、キバナオウギまたはナイモウオウギなどの根

【作用と応用】

  1. 強壮作用:慢性の疲労や衰弱、内臓下垂、神経麻痺など
  2. 利水作用:腎炎や浮腫、関節腫脹など
  3. 止汗作用:多汗、ね汗など
  4. 排膿作用:慢性化した化膿症

【使い方】

 単独で使うよりも他の生薬と組合せて使う方が更に効果を期待できる。

煎じ薬

元気を出す代表処方である「補中益気湯」をはじめ、黄耆を使った漢方処方は多いので、医師や薬剤師に相談して証に合う処方を選択してもらい、その処方を500〜600ccの水で15〜30分間ぐらい煎じたものを1日分として2〜3回に分けて食前や食間に飲む。(30g以上で降圧作用も)  
しかし黄耆は医薬品に該当し、間違った使い方では効果がなかったり、思わぬ反応がでる可能性もあるため医師や薬剤師に相談の上使用した方がよい。
正しい使い方をすれば穏やかな作用の素晴らしい生薬です。



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第13号
感染症に備える

  やっぱり…というか、懸念されていたSARSの再燃がニュースになりましたが、更にその後鳥インフルエンザが発生、人への感染、流行が懸念されています。

 以前は遠く離れた土地での出来事は対岸の火事程度にしか認識されず、深刻に考えることはあまりありませんでしたが、ボーダーレスの時代と言われて久しい現在は地球の裏側の出来事が何時我が身に起こっても不思議ではなくなりました。

 感染症と言われる疾病は、SARSや鳥インフルエンザだけではなく、西ナイルウィルスやエイズなどの比較的耳新しい疾病、定期的に大流行を引き起こすソ連型やA香港型などのインフルエンザ、最近再流行している結核や麻疹(はしか)などがありますが、何れも重症化した場合は生命が危くなるような軽んじることのできない疾病です。

 それらの感染症への対策としては、ワクチンによる予防接種、原因となり得ることに近寄らないことですが、それに加えて免疫力を高めて菌に対する抵抗力を強化しておくことは、感染症に対するだけでなく他の多くの疾病予防にもなりますので普段から心がけておきたいことです。

 では免疫力を高めるためにはどうしたらよいのか、基本は規則正しい生活リズムをつくることです。つまり、バランスのとれた規則的な食事習慣、心身の休養、適度な運動の3つの生活習慣を整えることによって免疫力がつくられるのです。

 免疫は、人間が自身の体の中で作り出す生体機能なので各人が自身の体内環境を整えなければ作られません。しかし、前記の3つの生活習慣を整えることは中々難しく、できたとしても力が足りない場合もあります(激しく消耗していたり、基礎疾患がある等)。
 そのようなときは漢方が力を発揮します。
 そこで今回から免疫に役立つと思われる生薬について少し取り上げて行きたいと思います。

人参(にんじん)

代表的な補気薬。

元気を補い、脾胃を健やかにし、神経を安定させ、津液を生じる効能がある。不老長寿の万能薬とされるが、アレルギー体質や高血圧の人では注意が必要。含有成分ジンセノシドなどによる薬理作用としてタンパク質、DNA、脂質合成促進作用、抗疲労・抗ストレス作用、強壮作用、降圧作用、降血糖作用などが報告されている。

【基原】

ウコギ科のオタネニンジンの根。(ちなみに野菜のニンジンはセリ科)

【作用と応用】

  1. 補気作用:疲労、衰弱、体力低下
  2. 健脾作用:胃腸虚弱、消化不良、
  3. 安神作用:神経衰弱や疲労による動悸・不眠、抑鬱症、無力症、インポテンツ
  4. 止渇作用:糖尿病の口渇や熱病による脱水症状

【使い方】

煎じ薬

人参5〜15gを5〜600ccの水で15〜30分間ぐらい煎じたものを1日分として数回に分けて食前や食間に飲む。

薬用酒

人参100gをホワイトリカー1.8・に入れ、密栓して冷暗所に6ヵ月保存した後氷砂糖などの甘味料を加えたものを1日に杯1〜2杯を食前か就寝前に飲む。

薬 膳

骨付きの鶏肉、干椎茸、生姜、ねぎ等と煮てスープにして食べる。


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第12号
SARSと免疫力と漢方

 一時、猛威をふるった新型肺炎SARSでは、ほかの人に感染を広げやすい「スーパースプレッダー」の存在が注目されました。

 専門家に拠れば、「よく分かっていないが」としながらも、「体の免疫状態が悪くウィルスが増殖しやすかったり、体内でウイルスが突然変異して感染力が強まったのが原因かもしれない」との分析もあるようです。

 冬場にかけてまた再流行するのではないかとの予測もあり、未だ決定的な治療法が確立されていない中では、自らの免疫力を高めてウイルスを寄せ付けない体造りを心掛けたいところです。

 「夏真っ盛りの今から、そんなに先の話を…」とお考えの方もあるかもしれませんが、夏場に体力を消耗し、秋口の気候の変わり目に体調を崩しやすいことを考えれば、今から少しずつでも取組んだ方がよいと思います。

 漢方薬を服用するとなると、数ヶ月或いは数年に渡って、毎日毎日服用し続けなくてはいけないという印象がありますが、中国や韓国では、1年に2回程度、特定の時期に一定期間だけ服用するという方法も行われているそうです。

 例えば、虚弱体質の人が、夏から秋へ、冬から春へといった気候の変わり目に、「十全大補湯」という漢方処方を服用することで、気候の変化に対応できる力を備えるというようなことです。

 そして、その中国や韓国では、今や煎じ薬を自分で煎じるのではなく、薬房と呼ばれる薬局や煎じ専門店で煎じて密封パックしたものを購入し、手軽に服用していると聞きます。

 煎じ薬が生活に密着しているお国柄とはいえ、煎じる手間が省けるというのは魅力のようです。

 漢方処方に限らず、民間薬やお茶、入浴剤の密封パックを作ったり、ダイエットに良いということで、若い女性が、かぼちゃを持ち込んでその煎じ液の密封パックを注文するのがブームになったこともあるそうです。

 日本国内でも普及し始めているこの煎じ密封パック、携帯できるので旅行先や職場でも簡単に煎じ薬を服用できて実際に試してみると本当に便利で、味も予想外にマイルドで今まで煎じ薬が苦手と思っていた方でも手軽に服用できると好評です。


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第11号
免疫力向上

 免疫器官は、骨髄や胸腺、脾臓、リンパ節、血管、腸など全身にあり、外界から襲ってくるあらゆる敵から身体を防御するために絶えず働いています。

 それらの器官の働きが弱まると、免疫細胞の働きも低下し、病原菌やストレスに対応しきれずに病気や体調不良になってしまうのです。

 生物が生命を維持するためには、食事・休養・運動が不可欠で、生物はその全身器官を養う栄養源を身体の中に取り込むために食し、その栄養源を有効な物質に変換する機能を休養が補助し、身体を動かすことが有効な物質の身体の中での働きをより効果的にするのです。

 食事という行為は、毎日のごく当たり前のことになっていて、その意味を考えることは余りないと思いますが、毎日のことだから尚更ちょっと意識することで、空腹を満たしたりエネルギー補給のためだけではなく、全身のいろいろな器官の働きを活性化して、病原菌やストレスに負けない抵抗力=免疫力をつけることができます。

≪免疫力を向上させる食品≫
(1)活性酸素を抑える抗酸化成分のあるもの

カロチン類

緑黄色野菜

にんじん,ほうれん草,かぼちゃ,小松菜,春菊,菜の花,モロヘイヤ,明日葉,ピーマン,トマトなど

海藻類

ビタミンC

野 菜

じゃがいも,ブロッコリー,カリフラワー,かぼちゃ,ピーマン,にがうり,菜の花,京菜など

果 物

いちご,オレンジ,グレープフルーツ,みかん類,キウィフルーツ,柿など

ビタミンE

たい,ニシン,あゆ,いか,うなぎ,あんこう,ぎんだら,子持ちかれい,キングサーモン,ツナなど

緑黄色野菜、アボカド、小麦胚芽、ナッツ類、植物油など

ポリフェ
ノール

ブドウなど赤や紫色の野菜や果物、ごぼう、レンコン、豆腐・納豆などの大豆製品、蕎麦、茶、ごまなど

(2)ミネラル、特に亜鉛とセレンを多くふくむもの

亜   鉛

魚・貝類(かに,うなぎ,するめ,牡蠣,帆立貝など)

レバー、豆類、納豆などの大豆製品、玄米、小麦胚芽など

セ レ ン

魚・貝類(いわし、かれい、はまぐりなど)、肉、卵、牛乳、きゅうり・たまねぎ・白菜などの野菜、オレンジなどの果物、昆布、大豆、米、ごまなど

(3)免疫を活性化させる成分のあるもの

野菜に多く含まれていると言われ、にんにくやねぎなどのツンとする成分、キャベツ・ブロッコリー・大根・かぶなどの辛味成分、きのこ類に多く含まれる多糖類、いも類や海藻類など。
また、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー症状には、しそ、にんにく、キャベツ、なす、きゅうりなどの免疫バランスを整える食品がよい。


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第10号
免    疫

 漢方治療でよく「自然治癒力」という言葉を耳にすると思いますが、これは生物が傷ついてしまった自分の体を自分自身で治す力のことで、生まれながらに備わったものであり、そこで重要な働きをしているのが「免疫」というシステムです。

 環境破壊やストレスの多い現代社会に生きている私達は、ウイルスや細菌などの病原体以外にも、大気中や食品中の有害物質などに取り囲まれ、体内では活性酸素が体を酸化し老化を促進しています。「免疫」は、このようなあらゆる敵から体を守り、病気に罹りにくくし、罹っても軽くすむような生体の防御機能です。

 私達の体に病原体などの敵が入ってくると、まず白血球のマクロファージやNK細胞が敵を取込んで破壊し、体は正常な状態に維持されます。

 ところが敵の勢いが強く、マクロファージやNK細胞が対抗しきれない時は、同じく白血球のリンパ球が、敵を抗原として記憶し、対抗するための抗体を作って敵を攻撃します。

 これを抗原−抗体反応といいます。

 予防接種はこのような生体の働きを生かし、あらかじめ抗原を体内に送込むことで抗体を作り、病気に対抗しようというものです。

 このような働きをするものを免疫細胞と呼び、免疫細胞が活発に活動すれば、免疫の力すなわち「免疫力」も向上するというわけです。

 「免疫力」は老化によっても衰えますが、個人差があり、生活習慣や食事の影響をよく受けます。

 言いかえれば、生活習慣や食事を見直すことで「免疫力」を向上できるということです。

 「免疫力」を向上し、病気に罹りにくい体をつくることは予防医学として期待されているところですが、それは漢方の理念である「未病を治す」ことなのです。

 (「免疫力向上の実際」については、次号からシリーズとして掲載予定です。)


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第9号
風邪の予防

 「風邪」、その二文字から東洋医学で解釈しますと、「」は致病原因、「風邪」の場合、ほとんどが病原微生物の風邪ウイルスです。「」は「外邪」(風、寒、暑、湿、燥、火)の一種で、風の邪は人体の体表から入ると、症状の変化の早いことはその特徴です。「風邪」の症状が早く変わる特徴があるので、この病気を「風邪」と名づけられたと言われています。

 「風邪は万病の元」と言われます。罹り易いが、少し我慢すれば、受診しなくても治ることが多いので、軽く見られがちです。しかしながら、こじらすと不愉快な症状が続くだけでなく、二次的に気管支炎や肺炎など合併症を起こし、時に重篤な状態になることもありますので、無視してはいけません。

 風邪を引いてしまうと、風邪薬を服用しても、すぐ治りにくく、1週間以上かかります。こんなに医学が発達した現今でも、残念ながら風邪に対する特効薬はありません。ですから、風邪を引かないよう予防の意義を再認識しなければなりません。

 風邪はまず予防から!さまざまな予防法がありますが、あくまで次の二つのことにまとめられます。

一、風邪に負けない抵抗力を作り、維持すること 

 東洋医学には、「正気存内、邪不可幹」という名言があります。「抵抗力を持てば、病原微生物が侵入しにくい」という意味です。これは風邪予防にとって大切です。普段生活には風邪ウイルスが見えませんし、多く存在しますからです。このような抵抗力を作り、維持する具体的な方法は、日ごろの規則正しい生活です。

■ ビタミンAとビタミンCを十分に摂取する食事
風邪予防にはビタミンAとビタミンCを摂取することが有効ですので、野菜や果物を、特に緑黄色野菜を十分に食べよう!キャベツ、ニンジン、カボチャ、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、ニラチンゲンサイなど。またお肉、お米も栄養バランスを忘れないでください。
■ 十分な睡眠
睡眠は、1日中の疲れの解消や消耗した体力の回復に大切なことですので、いくら忙しくても十分な睡眠を取らなければなりません。
■ 適当な運動
適当な運動は、身体全体の新陳代謝を旺盛して、体力や風邪の致病原因に対する抵抗力を作り、維持することに確かに有効な方法です。 

二、風邪ウイルスを身体に侵入させないこと 

■「手洗い」と「うがい」
手や顔、衣類等に多数のウイルス付着します。手で目を擦ったり、鼻を弄ったりすることも感染経路の一つですので、石鹸で手や顔を洗うことは、意外と効果的です。家に帰ってきたら、すぐに「手洗い」と「うがい」をして、ウイルスを近づかないことが大切です。
■ お部屋の湿度を保つ
のどや鼻などの呼吸器系が乾燥してしまうと、ウイルスの威力は増して風邪に対する抵抗力が弱まります。冬に加湿器や洗濯物を室内に干すなどで、お部屋の湿度を上げる努力しよう!一方、夏に風邪ウイルスは、高湿度が大好きですので、ご注意下さい。 
■ 体が冷えないように
体が冷えてしまうと、風邪に対する抵抗力が弱まります。保温は風邪の予防に十分価値があると言えます。ただし、暖めすぎは逆効果ですので、ご注意下さい。 
■ マスクをつける
マスクを付けることで、ウイルスの侵入を約3割減らすことができるそうです。また、マスクは吐く息で湿っておりますので、吸気に湿気を与え、吸気の温度を上昇させます。
■ 人混みを避ける
人混みの所では、風邪のウイルスに接触する機会が多くなりますので、できるだけ感染の機会を低くするために、人混みを避け、避けられない場合、その場所から帰ったら、すぐ手洗い、うがいなどを励行することは、風邪予防に効果的です。                

 以上のように、風邪に負けない抵抗力を持ちながら、また日ごろの生活中に風邪ウイルスに感染されないように注意すれば、風邪予防の目的に達することが期待できます。


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第8号
中国製健康食品

 中国製ダイエット食品による健康被害が相次いで報告されましたが、サプリメントと呼ばれる栄養補助食品の摂取が当たり前のようになっている現代生活においては、他人事では済まされない事件です。

 若く、美しく、健康でありたいとの思いからダイエットを始めても、健康を害するような方法では本末転倒であり、そのようなことを望む人はいないと思いますが「簡単にやせられる」という宣伝文句は魅力的で、つい飛びつきたくもなります。

 しかし、よく考えてみてください。まず、自分は本当にダイエットの必要があるかどうか、そして必要だとしたら、そうなった理由・原因を。 そうすれば自ずとダイエットの方法が見えてくる筈です。
 そして、ダイエットが必要な状態には、1日や2日で急になったわけではないはずで、それをダイエットするというのは、時間や努力が必要だということを

 そのようなことを理解すれば、あとは実行あるのみです。

正しい動機
理   解
目   的

 以上を持ったダイエットは成功の確立が高いと思います。

 あとは肝心な正しい方法ですが、これは千差万別で、先にも述べたように、そうなった理由・原因があるはずで、そこの部分を改善するために多くの人に当てはまると考えられることは、生活習慣の改善であり、特に食生活の見直しと適度な運動が重要です。

 この食生活を考える時に、健康食品を取入れるのは合理的で、ダイエットの効率もあがると思います。そもそも健康食品は、健康の維持・増進を目的にしているものなので、上手く活用することです。

 今、いわゆる健康食品は保健機能食品と言われ、2種類の枠組みがあります。

(1)「特定保健用食品」と呼ばれ、有効性や安全性を審査・許可されたもの
(2)「栄養機能食品」と呼ばれる、一定の規格基準を満たせば審査は不要なもの

がありますが、この2種類以外の食品には、体に有益な効果があるような表示はできないことになっています。
 健康食品を選ぶ際には、これを基準にしたり、わからない時は、薬局や薬剤師などに相談するようにしてください。


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第7号
やっぱりダイエット

 忙しい現代生活を送る私達は、食生活が乱れがちで、生活習慣病の原因の一つになっています。特に「肥満」は食事との関連が密接で、食習慣の改善が重要です。「食習慣」、見直してみませんか!

食事チェック

◯がついた項目は改善しましょう。
10個以上の人はかなり太りやすいので要注意

どちらかというと早食いだ

出されたものは残さずに食べる

頂きものは食べないと申訳ない

甘いものが止められない

イライラすると食べてしまうことがある

食事が不規則になりやすい

1日2食になっている

食事をしながらテレビを見たり新聞を読んだりする

夜型人間である

付合いでお酒を飲む機会が週2回以上ある

夕食を食べるのが9時以降になることが多い

野菜不足になっていると思う

ご飯は軽く一杯しか食べない

1週間に3回以上フライや天ぷらなど揚げ物を食べる

1日1回以上外食をする

 ダイエットに王道はありませんが、基本は単純で、摂取カロリーを消費カロリーより少なくすること、つまり[摂取カロリー]−[消費カロリー]=マイナスにすればいいわけです。体脂肪1kgが7,000kcalと言われているので、1kgの減量には−7,000kcalの状況をつくればよいということです。

ポイント
(1)摂取カロリーを減らす
軽作業の成人女性の1日の必要カロリーは1,600kcalで、最低で1,200kcalは摂る必要があります。従って、1日で減らすことができるのは400kcalが限度なので、1日350 kcal減らしたとして、20日間で1kgの減量を目標にしましょう。
(2)消費カロリーを増やす
カロリーのマイナスポイントを上げるには、運動を取入れることです。350 kcal消費するにはジョギングだけなら45分間必要です。普段の生活の中でこまめに体を動かすようにして消費カロリーを上げましょう。 
(3)短期間に結果を求めない
極端な食事制限や過度の運動は長続きしないばかりか、リバウンドがあったり、体を壊しかねません。あせらず、あきらめないで細く長く続けましょう。
もっと上手に
◆◇◆効果をたかめるために◆◇◆
※食事日記をつける
いつ、何を、どういうふうに食べたのかを日記につけると、肥満の原因がわかったり、過食を防ぐことができます。
※食事のバランスに気を配る
・卵・乳製品 ・肉・魚などのタンパク質 ・野菜・果物 ・ご飯・パンなど主食を3:3:3:8の割合でバランスよく摂り、カロリーの調整は・を増減して行います。


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第6号
七味唐辛子の七味ってナニ?

 私たちの身近なスパイス「七味唐辛子」、最近の辛さブームで大好きな方も多いと思います。「七味」とは「七つの薬味」であり、漢方薬を食に利用しようと江戸時代初期に考えられたものが「七味唐辛子」で、その内容から風邪予防を期待していたようです。現在の日本橋やげん(薬研)堀が発祥地で、その後蕎麦の薬味に欠かせないものとして全国に普及しました。地域の文化や風土に合わせてその配合は特徴を持ち、比較してみると関東では濃い味の蕎麦つゆに合うようピリッとした辛さ、関西では薄い味付けのうどんに合うように辛さよりも香りが好まれたようです。

 共通するのは、唐辛子・山椒・胡麻・麻の実の四味で、その他はお店により陳皮・けしの実・生姜・青紫蘇・青海苔・白胡麻等を組合せて独自のものが作られています。東京・京都・長野にはそれぞれ江戸時代から続く有名な七味唐辛子屋さんがあり、三大七味と呼ばれ、その配合に特色があるので、旅行などで訪れた時に自分の好みに合うもの探してみるのも楽しいと思います。

(三大七味の七味)

東京
赤唐辛子
(生)
赤唐辛子
(焙煎)
粉山椒
黒胡麻
陳皮
けしの実
麻の実
京都
赤唐辛子
(乾燥)
生姜
粉山椒
黒胡麻
陳皮
青紫蘇
麻の実
長野
赤唐辛子
(乾燥)
青海苔
粉山椒
黒胡麻
白胡麻
紫蘇
麻の実

そしてここでは全国共通の某食品会社の「七味」の薬味について調べてみました。

(1)赤唐辛子

食欲不振・消化不良の健胃薬、神経痛(循環促進・鎮痛)、筋肉痛や凍瘡などに温湿、布や外用薬として用いたり、また発毛刺激効果も。
辛味成分のカプサイシンは新陳代謝を高め、血中の中性脂肪値を下げる。

(2)山椒

芳香辛味性健胃薬として胃腸を刺激し機能を亢進させ健胃・整腸効果。

(3)黒胡麻

抗酸化作用・抗コレステロール作用で老化や動脈硬化を予防。カルシウム・マグネシウム・鉄などが含まれ骨粗鬆症を予防。

(4)麻の実

漢方でいう麻子仁。脂質・たんぱく質・亜鉛を含み潤腸通便効果、成長障害や皮膚炎予防効果。滋養作用。炒ると芳香を生じる。

(5)陳皮

健胃・蠕動促進作用、中枢抑制・鎮静作用、抗炎症作用、鎮咳去痰効果

(6)けしの実

ポピーシードとも言い、焼いたり炒ったりすると香り・歯ざわりが増すのでアンパンやクッキーに使われたりする。

(7)青紫蘇

殺菌・防腐作用、鎮咳・去痰・発汗・健胃・整腸・食欲増進効果

 このように見てみると七味唐辛子は、体の機能を活性化してくれて、風邪予防や健康増進にうってつけの香辛料と言えます。また最近は赤唐辛子が新陳代謝を高め、脂肪を燃焼してくれることによるダイエット効果にも期待が集まっていて、多食する方が増えていますが、刺激が強く味覚障害を引き起こしたり胃腸の炎症や痔を悪化させるので、適量を心がけましょう。



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第5号
キノコを食べよう!

 キノコは、美味しい季節で取ったものでも、栽培品でも、体にいいので、たくさん食べましょう。 

★最近注目のβ‐グルカンを多く含み、抗酸化作用・免疫効果がある。

β‐グルカンは、私達の体に病気を発生させる元である活性酸素の生成を阻止したり消去し、免疫増強作用・抗ウィルス作用・腫瘍抑制効果が言われていて、ガンの予防やひいては治療にも役立つのではないかと注目されています。
 
★他に、糖尿病、肝臓疾患、高脂血症   
  • 血糖値を下げる……多糖体ガノデランA、B、C、またその複合体
  • 血管の弾性を高め、強化し、心臓の働きを高める……活性蛋白ボルバトキシン
  • 血圧を下げたり、調整する……ペプチドグルカン、他糖蛋白質
  • コレステロール・中性脂肪を減らす……レンチシン(椎茸)
  • 血栓を阻止する……レンチシン、ヌクレオチド 
  • 抗ウィルス作用……糖蛋白質
  • 痴呆症改善
  • 肥満抑制
  • 摂食抑制
  • 食物繊維
  • その他

オオヒラ茸(シメジ)

筋肉や骨を強固にする作用を持っていて筋肉痛や腰痛、手足のしびれなどを治す効果がある。また体内酵素を円滑にする働きもあります。

白キクラゲ

滋養強壮、血液浄化、潤肺効果。黒キクラゲは鉄分多く造血効果。

椎茸

免疫システムを活性化させ抗ガン作用、骨髄の造血作用を促進。血中コレステロール低下作用。含まれるビタミンDはカルシウムの吸収をよくする。

タモギ茸

東北地方や北海道に自生するシメジ科のキノコで色彩が派手なために(鮮やかな黄色のかさ)食用に見えず、敬遠されがちであまり知られていませんが、味もよく、何よりもβ‐グルカンの含有量があのアガリクスを上回る(100g中20.3g)と言われていて、注目したいキノコです。

ハナビラ茸

β‐グルカンの含有量はキノコ中トップクラス(100g中43g)。味も良いが、栽培が難しく、粒タイプの健康食品が出回っている。

舞茸

腸内の発ガン物質を吸着し除去する。コレステロールを減らす。血糖値を下げる。脂肪の代謝を促進する。炎症やアレルギーを抑える。また、抗ガン剤の副作用を軽減することが、他のキノコのβ‐グルカンを上回る大きな効用だとされています。

松茸

その絶妙な歯触りのよさで味もまた格別なのが、“キノコの王様”マツタケです。抗菌、抗腫瘍作用が弱いが、胃腸の機能を高め、慢性尿道炎の症状を緩和する作用もあります。また便秘の予防、手足のしびれなどにも有効です。

紫シメジ

「香りマツタケ、味シメジ」と言われるように、味がイヤみなくさっぱりしていて、とても口当たりがよいキノコです。β‐グルカンが主成分なので、抗腫瘍、抗ウイルス効果、便秘の改善、肥満防止効果もあります。

ヤマブシ茸

ヤマブシ茸には、蛋白質を構成する必須アミノ酸八種類がバランスよく含まれているので、食用キノコとして理想的と言えるでしょう。「アミノ酸の宝庫」、「脱コレステロール効果」、「消化器ガンの予防効果」、「牛肉の35倍のビタミン」で有名です。

注意)

最近の研究で、「ガンに効く」キノコの多糖体に、心臓の筋肉に障害をもたらす作用があるという発表がありました。研究の実験は注射での実験であり、口から摂取する限り、このような影響は考えられません。 また、問題になっている多糖体はα‐グルカンであり、作用が異なります。



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第4号
話題の「イチョウの葉」

 街路樹として親しまれているイチョウは、その実である銀杏を食用にしたり、咳止めや夜尿治療などの民間薬とされてきましたが、近年では、血行促進効果があるといわれるフラボノイドを多く含むということで、イチョウの葉が注目を浴び、ドイツやフランスでは動脈硬化や肩こり、冷え性など末梢血行障害の治療薬として医療現場でもイチョウエキスが使われているようです。

 イチョウの葉に含まれる「ギンコライド」という特有の成分が最近注目されていて、血管に炎症を起こしてアレルギーやぜんそくの原因になったり、血栓を作ったりする血小板活性化因子(PAF)が血管の組織に取り付くのを邪魔する効果があり、アレルギー症状を改善できるのでは、と期待されています。

また、ホルモン分泌促進作用もいわれ、女性ホルモンがアルツハイマー病の発症を防ぐらしいことより、痴呆症の改善効果についても期待が高まっています。

 高齢化が進む中、老人病の薬としての効果に期待が高まっていますが、現在のところ日本においては医薬品としては認定されていないため、健康食品や入浴剤、育毛剤の原料などに留まりますが、中国製の「銀杏葉ドリンク」が健康飲料として幅広く愛飲されています。


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第3号
薬膳料理レシピ
食欲の秋です。季節の食材を使った薬膳料理をご紹介します。
≪ナシとギンナンのジンジャー煮≫
◆材料
  • ナシ……………………………………2個
  • ゆでギンナン…………………………20粒
  • ショウガの薄切り……………………大2片
  • 三温糖…………………………………カップ1/2
  • ハチミツ………………………………少々
  • 水………………………………………3カップ                        
◆作り方
  1. ナシの皮をむき、しんを取って8つに切る。
  2. なべにナシ、ショウガ、ゆでギンナン、三温糖、ハチミツ、水を加えて10〜15分くらい煮る。
  3. 煮汁ごと冷蔵庫で冷やして食べる。
◆効能
ナシとギンナンに咳止め作用、ショウガに食欲増進作用が有るので、風邪で食欲のない時に。

≪ハトムギとアズキのおしるこ(雪中紅)≫
◆材料
  • ハトムギ(_苡仁)…………………1カップ
  • アズキ(赤小豆)……………………1/2カップ
  • 栗………………………………………大さじ1
  • ハチミツ………………………………大さじ5〜6
  • 水………………………………………10カップ
◆作り方
  1. ハトムギは湯に漬けて一晩おく。アズキと栗は洗っておく。
  2. なべに(1)と水を入れ、最初は強火、後で弱火にしてハトムギが柔らかくなるまで煮る. 
  3. 少し冷ましてからハチミツを入れ混ぜて甘味をつける。
◆効能
ハトムギ、アズキ、栗には利尿作用があり、むくみに良い。ハトムギには美肌効果もあり、ニキビやイボを治療し、栗は胃腸を整え、精神安定作用があると言われ、女性の強い味方の一品。 
 
◆アドバイス
ハトムギは殻がとても堅いので、十分に煮ること。
アズキは、ゆで汁に有効ミネラルなどの成分がたっぷり出ているので捨てないように。ハチミツの代わりに塩少々を入れてお粥仕立てにしてもよい。



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第2号
食べ物の「四気五味」

 医学が未発達だったはるか昔には、食物もまた重要な薬としての役割を果たしていました。中国では、食べ物には「四気五味」という性質があるとされ、何を食べると健康に良いか、病気を予防mッをいいます。

 「四気」とは、身体を暖めたり、逆に冷やしたりする作用を4種類に分けたもので、熱、温、涼、寒で表されます。体が冷えているときは温、熱の食べ物を、逆に熱がこもっているときは寒、涼の食べ物を積極的に取ると良いと言われます。

四気
熱・温性の食材
涼・寒性の食材
効果

身体を温める(循環促進)作用
貧血、冷え症に良い

身体を冷やす(鎮静、消炎)作用
のぼせ、ほてり、高血圧に良い

穀物

もち米、玄米

小麦 ハト麦 緑豆

野菜
きのこ

カラシ菜、コマツ菜、ニラ、シソ、ウド、カボチャ、ピーマン、カブ、ニンニク、ラッキョウ、ショウガ、ネギ、パセリ、ニンジン、タマネギ、コショウ、トウガラシ、カラシ

大根、トマト、セロリ、キュウリ、ナス、アスパラガス、トウガン、レタス、 ホウレンソウ、ゴボウ、モヤシシメジ、白菜、ハス、 タケノコ

果実など

アンズ、クルミ、サクランボ、モモマツの実、サンザシ

キウイ、ミカン、ユズ、ビワ、カキ、スイカ、バナナ


魚介類

羊肉、鶏肉、鶏レバー、エビ、ウナギ、ブリ、マグロ カツオ、イワシ

カニ、タコ、アサリ、ハマグリ、コンブ、ワカメ、ノリ、クラゲ

加工品

ザーサイ、キムチ

豆腐、コンニャク、納豆

「五味」は、食材が持っている辛味、酸味、苦味、甘味、鹹味(塩辛さ)の5つをいい、いずれも、次の効能があるとされています。

五 味
効      果
食  材  例
辛味

発散と気をめぐらす作用あり。食べると汗をかき邪気を発散させる

ネギ、ニラ、ニンニク、トウガラシ、ピーマンなど

酸味

粘膜の表面に働いて、寝汗や尿の出過ぎを抑制する

レモンなどの柑橘類、ウメなど

苦味

身体の熱を冷したり、湿気取り除く

ニガウリ、お茶など

甘味

滋養と緩和の作用があり、胃など消化器の緊張を和らげる

カボチャ、サツマイモ、シイタケなど

鹹味

しこりを和らげる作用があり、痰を切りやすくし便を軟らかくする

昆布、ワカメなどの海藻類 味噌、塩など




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第1号
未病を治す

 病気ではないけれど、何となく気になる症状のある状態を『未病』と呼び、何かのきっかけで簡単に表面化しやすくなります。この様な時に身体の免疫力を高めて病気を予防することが『未病を治す』ことになります。

 そのためには、生活習慣の改善、特に私たちが生きていくための基本である、次のことが大切であると言われます。

  1. 正しい睡眠で、身体に休息を与える
  2. 正しい食事で、身体に栄養を与える
  3. 適度な運動で、身体に体力をつける

 この三つによって自然治癒力は生れます。ただし、方法を間違えると、特に食事については全く効き目が無いどころか、逆効果になることもありますので、気をつけなくてはいけません。正に医食同源で、薬には、食べ物の薬理作用を利用したものが少なくありません。

 また、いろいろな食べ物に「旬」があるのは、その季節に生じるであろう身体の不都合を補ってくれるためです。だから食べ物の性質を理解し、体質に合った食事をするのは健康な身体づくりにおいては、とても重要なことなのです。

 具体的な内容については、次の機会にさせていただきますが、興味をお持ちで何かお知りになりたい方は、いつでも何なりと、お声をかけてください。